2006年10月10日

幸福論

おめでとう。


一応今日が自分の誕生日ということになっているので、何人かの知り合いから祝いの言葉を述べられる。


おめでとう。


何故かプレゼントをねだってもいない人からも祝福された。


おめでとう。


おめでとう。




「…何これ」
「その……あれだ」

小さなケーキ。 乗っているチョコレートに『銀時くんおめでとう』と丁寧な字で書かれているということは……
土方が店員にしどろもどろで頼んでいる姿を想像するだけで笑いが込み上げてくるが、ここはあえて噛み殺す。


「もうホールケーキ食っちまったし〜 腹も満ち足りてるし〜」
「……なら俺が食うからいい…」
「うーそ 食べるよ。つかどうせ食えねーだろお前」

しょぼくれ項垂れてぼそぼそと呟く土方に更に笑いを堪えつつ、いじるのはこの辺にして皿を手元に引き寄せた。


「上のクリーム少ないなこれ あー甘ぇ、美味美味♪」

しっとりやわらかいスポンジが舌の上でクリームと混ざり合って甘い。

土方はさっきから伏し目がちに煙草を燻らせ黙したままだ。



自分で決めた誕生日。 ちゃんとした生年月日は知らない。

「……トシ」
「何だ」


でも。


「‥‥‥ありがとな。」
「……………。」


本当の生まれた日じゃなくても構わない。
お前と祝えるなら お前が祝ってくれるなら――


今日がオレの誕生日。それで、いい。



ハッピーバースデイ、オレ。


sironeko_long7 at 17:32│Comments(0)TrackBack(0)土銀 | 日記

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